“かつての友達”と全面対決
会社役員の山本一郎氏(34)が巨大掲示板「2ちゃんねる」の管理人西村博之氏(30)を名誉毀損で訴えた裁判の第1回口頭弁論が1月29日午後、東京地裁で開かれた。
西村氏は、山本氏の訴えを認めず、全面的に争う姿勢を示した。2ちゃんねるを巡っての名誉毀損訴訟で西村氏が出廷することは珍しい。山本氏は出廷しなかった。
かつて親交があった、「切り込み隊長」こと山本氏との対決は、「閉鎖」や「ドメイン差し押え」等の報道後だけに、様々な臆測が飛び交っており、注目を集めそうだ。
訴えによると、山本氏は、(1)2ちゃんねる上の書き込みの内容が名誉毀損にあたる、(2)名誉毀損にあたる書き込みの削除要請をした。そのうえで、今後、「山本一郎」や「切り込み隊長」などとあるスレッドを立てないようにすることを求めた。
これに対して、西村氏は、(1)訴状の郵便が届くまで書き込みの内容を知らず権利侵害を知り得ない、(2)訴状が届いた後は、一連の書き込みを削除した――などとして、訴えを認めなかった。西村氏は代理人を立てない方針。
山本氏の代理人・小倉秀夫弁護士はオーマイニュースの取材に対して、「今後のスケジュールは先方が代理人を立てていないので、ゆったりとした進行になってしまうだろう。通常なら、代理人同士が争いのない点を整理し、争点を決めて、証拠提出という流れになるのだが、本人訴訟なので、結論が出るまでに通常よりも時間を要すると覚悟している」と答えた。
第2回口頭弁論は3月19日。
閉廷後、西村氏は報道各社の取材に答えた。なぜ今回出廷したのか?との問いに、西村氏は「原告が知り合いなので、面白いと思って」などと答えた。
以下は、報道各社との一問一答。
――今回出廷したのはなぜですか?
西村氏 基本的には出ないのですが、今回は知り合いなので、面白いかなと思ったんです。原告がどんな顔をしてくるのか知りたかったんです。
――なぜ知りたかったんですか?
西村氏 個人の感情としては恥ずかしいんじゃないかなと思って。
――ネットでは、原告の山本氏と「盟友」だったともされていますが。
西村氏 「盟友」ってどんな意味ですか? 友達ではありましたよ。でも、2ちゃんねるの運営でなんらかの役割を負っていたことはないですから。
――どれくらい会ってない?
西村氏 1~2年くらい会ってないですね。
――ドメインの差し押えという報道もありますが。
西村氏 やれるならやればいいんじゃないですか。2ちゃんねるのドメインは僕が所有しているわけじゃないので、できないと思うんですけど。
――今回、原告は出廷しませんでしたが。
西村氏 忙しいのかな。
――次(第2回口頭弁論)も出廷するのですか?
西村氏 はい。出ますよ。
――2ちゃんねるを巡っての一連の報道があるなど、注目されるのはなぜだと思いますか?
西村氏 平和だからじゃないですか。ワイドショーの視聴率が高いうちが華ですよ。