少年少女事件の増加に思う
京都府で起こった16歳の少女が父親をおので殺害するというショッキングな事件に続いて、9月24日、長野県でも15歳の少年が父親をおので殴って、重傷を追わせるという事件が発生した。
京都の事件の後、事と類似したシーンを含むということで、「School Days」、「ひぐらしのなく頃に解」というアニメ番組が1部のテレビ局であいついで放送中止となった。
これらのアニメ番組が本当に、少女が殺人を犯す要因だったのかは、専門家の検証を待たなければならないが、テレビに関して、私にはアニメ番組などよりもっと危惧していることがある。
それは、特にワイドショー番組などによく見られる、センセーショナル報道が、社会に与えているかも知れない影響のことだ。
具体的に「センセーショナル報道」とは、細かい殺害方法の描写や、おどろおどろしいシーンの前後に挿入される「ジャジャーン」という短い音楽(効果音)とか、ナレーションを盛り上げるために使われるBGMなどである。
これらは、ドラマ番組やアニメ番組の暴力シーンに比べて、問題になることは少ないが、長野のケースのような模倣犯を誘発している可能性は否定できない。
特に、日本のワイドショー番組のように、残虐事件が起こると、殆どの放送局が、その事件を数日間、集中的に、繰り返し繰り返し報道している場合には、仮に1回のセンセーショナル報道が単独でもっている悪影響はわずかであっても、全体としては無視できないレベルに達しているということも考えられる。
そこで、私は、放送業界にそのようなセンセーショナル報道を、自主規制することを提案したい。これは、ある番組を全面的に放送中止したり、あるシーンを一方的にカットしたりするのではなく、あくまで表現手法に関する問題なので、放送局側でも比較的合意が得られ易いのではないだろうか?
勿論、このような規制で、視聴率が下がることを理由に、反対するテレビ局が出てくることも考えられる。が、まず、放送当事者たちが集まって、ガイドラインを作成し、米国の連邦通信委員会(FCC)のような独立機関が、番組を監視するというようにすれば、どの放送局にも比較的フェアな形で、自主規制をかけることができるように思えるのだが……、放送業界の方、いかがだろうか?