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オーマイニュース創刊宣言 新しいメディアのたねをまく

2006年8月28日、新しい市民参加型メディアが日本に誕生しました。ニュースを通じた市民参加のプラットフォームの幕開けです。

オーマイニュース(OhmyNews)。

ニュースが生み出される方法、消費される過程を含めて、ニュースの仕組みが根底から変わります。これまで傍観者、あるいは情報提供者にとどまっていた人々がニュースづくりの主役になるのです。新聞社のゴミ箱に捨てられていた読者の投稿、胸に秘められていた想いなど、これまでないがしろにされてきた皆さんの声を、オーマイニュースは大切にしていきます。オーマイニュースは日本で最も自由なメディア、ニュースを通じた市民参加の「プラットフォーム」になるのです。

市民みんながつくる新しいメディア

「市民みんなが記者だ」

これがオーマイニュースの核心となるコンセプトです。小学生から大学教授、フリーター、主婦から弁護士、医師などの専門家に至るまで、何か新しいニュースを持ち、それを他の人々と共有したいと思う人であれば誰もが記者になれるのです。

これまでのニュースづくりは、職業記者の特権のようなものでした。しかし、インターネット空間に市民が参加するようになって、これまで当然と考えられてきた様々なものと決別できるようになったのです。

オーマイニュースが創刊を前にして市民記者募集を開始したところ、約1ヶ月の間に北海道から沖縄まで全国各地から約1000人の方に登録していただきました。これらの方々の書いた記事が、今日からオーマイニュースという新しいメディア、新しい広場をつくっていくのです。

最も自由な市民参加の「プラットフォーム」

どんなチカラにも、おカネにも影響されず、オーマイニュースの編集部からも独立

オーマイニュースは、社会に向けて自分の声を発信したい市民のための最も自由な参加の「プラットフォーム」です。オーマイニュースの市民記者は権力から独立し、資本からも独立しています。さらにはオーマイニュースの編集部からも独立しているのです。

オーマイニュースはいかなる権力や資本からの干渉も受けずに発言できる空間です。これまで何かに阻まれて伝えられなかったことはありませんか。オーマイニュースを通じてその壁をなくしていきましょう。

オーマイニュースは政治的・思想的な中立を守っていきます。オーマイニュースの編集部には常勤の取材スタッフと編集スタッフがいますが、彼らは市民記者のサポーターです。編集部はスタッフ個人の考えを盛り込んだ記事も重視しますが、どのようなテーマでも編集部の考えを読者に押し付けることはありません。むしろ、多様な意見や立場を持った市民記者の自由な発信により、問題の解決策を見出すために支援し、その議論をさらに深化・発展させ、読者に伝えるサポーターになります。

市民記者が発信する記事は、その事実関係が明確であり、他人の名誉を毀損しないものであり、またテロのような反人道的かつ反社会的な主張を行うものでない限り、編集部によって削除されることはありません。つまり市民記者は編集部から独立しているのです。まさにこの点において、オーマイニュースは日本で最も自由なメディアになるのです。

信頼ある参加、責任ある参加

最小限の編集、最大限の事実確認

オーマイニュースは、市民の自由な参加を保障しますが、同時に「信頼ある参加」と「責任ある参加」のための広場になりたいと考えています。

インターネットの登場により、日本のメディアは大きく二つに分かれました。新聞や放送といった伝統的メディアは、ある程度の信頼と権威を持っていますが、そのニュースの発信過程における市民の参加は極めて乏しい状態です。一方、インターネットにおいては相対的に市民の自由な参加が行われていますが、匿名による中傷や事実確認の不十分な情報も混ざりこんでおり、信頼と責任の点で課題を抱えています。

そこでオーマイニュースは、双方の短所を克服し、その長所を組み合わせる「架け橋」になろうとしています。これこそが「信頼ある参加」、「責任ある参加」です。このため編集部は、市民記者が書いた記事について「最小限の編集、最大限の事実確認」を行う方針です。市民記者の個性と主張が損なわれないように編集作業は最小限にとどめる一方、信頼と責任あるメディアとしての使命を果たすため、誤った情報が含まれていたり、他人の名誉を傷つける恐れのあるものについては最大限の事実確認をしていきます。

特にオーマイニュースは、責任あるメディアとして「行き過ぎた批判は防ぐ」という原則を守っていきます。いかなるテーマ、いかなる批判も自由に提起できるという大原則は徹底して守りながらも、ある特定の個人や団体、機関に対し、行き過ぎた批判がなされないよう取り組んでいきます。

Making Bridge Project

意思疎通の不在に、対話の架け橋を

現代社会は豊かな物質と様々な情報に溢れていますが、お互いを理解し合えるコミュニケーションはむしろ乏しいと指摘されています。オーマイニュースは「自由な参加」「信頼のある参加」で作られた広場であることを活かし、対立する二つの集団の間のコミュニケーションを支援する架け橋を目指します。例えば団塊世代と団塊ジュニア世代、専門家と一般市民、新入社員と役員、匿名の発言者と実名の発言者、持つ者と持たざる者、左翼と右翼、日本人と世界の人々など、意思疎通が必要な集団の間の架け橋になっていきたいと考えています。生産的な対案をつくっていきます。オーマイニュースが創刊企画として「Making Bridgeインタービューシリーズ」を始めるのも、まさにそのような架け橋のような役割を目指しているからです。

世界につながる窓口

世界の市民と肩を並べ

オーマイニュースは、市民記者と読者の皆さんを世界へとつなげていく架け橋であり、また窓口です。オーマイニュース英語版では世界100カ国・地域で約1300人の市民記者が活躍しており、韓国では約4万3000人の市民記者が創刊から7年間、韓国ジャーナリズムの歴史を変えてきました。オーマイニュースは市民記者の皆さんが書いた記事を世界に紹介し、また世界の市民記者から寄せられた記事を皆さんに紹介していく計画です。

皆さんの参加は日本社会を変革するだけでなく、世界の人々と肩を並べることであると同時に、世界をより住みやすいものにすることなのです。

日本メディア全体の発展にも貢献

「永遠のベータ版」~謙虚に学びながら挑戦~

オーマイニュースは日本で第一歩を踏み出しました。今日、皆さんの前に姿を現したオーマイニュースはベータ版であり、いわば「オーマイニュース1.0」です。さらなる機能改善を図り、より便利でかつ多様な方式でニュースを生産・消費できる「オーマイニュース2.0」を年内に披露する計画です。中長期的には、より豊富な情報とコミュニティー機能を備えていく考えです。これによって「信頼のある参加」に「楽しい参加」「有意義な参加」が加えられることになります。

オーマイニュースは、インターネットというテクノロジーこそが、皆さんの参加を最大限に引き出すものだと信じています。そして、「永遠のベータ版」という精神に基づき、インターネットの長所を最大限に反映させたメディアになるため、絶えず努力を続けていきます。

オーマイニュースは、その発展の過程で常に謙虚な姿勢を心掛けていきます。私たちの長所である「自由で信頼ある参加」を他の伝統的メディアとインターネットメディアに広げる一方、他のメディアから学ぶべきことは積極的に学んでいきます。この過程で、メディア全体がともに発展することに寄与したいと考えています。

この「たね」から一緒に花を咲かせましょう!

皆さんのご参加と叱咤激励をお願いします

オーマイニュースは東京・虎ノ門にある古いビルからスタートしました。このビルは1年後には撤去され、ビル用地は再開発される予定です。このためオフィスの家賃は格安です。私たちはこの古いビルの4階に編集部を設け、同じ広さの3階には市民記者が討論し、記事を書ける空間を作りました。この空間にはオーマイニュースを自由な市民参加の「プラットフォーム」にしていきたいという私たちの想いが込められています。

1年後、このビルは撤去されます。その時、オーマイニュースもなくなるか、それとも成長してさらに広いオフィスに移転することができるのか、その答えは今、読者と市民記者の皆さんの手にかかっています。

私たちは信じています。今日、約1000人の市民記者とともに私たちがまいた「たね」は、やがて大地にしっかりと根を下ろし、枝を伸ばして、いきいきと育っていくだろうと―。

より多くの参加と叱咤激励をお願いします。オーマイニュースのスタッフ一同は、皆さんのサポーターになるために最善の努力を尽くしてまいります。